待ちに待った全校キャンプの日。今年度のキャンプは、伊久美小を飛び出して焼津青少年の家へ行ってきました。
朝、元気に登校した子どもたちは、バスが来るまでの間、2日間のスケジュールや、キャンプファイヤーの出し物の確認をして過ごしました。一人ずつに係が割り当てられているので、自分がどう動くかを、しおりを見て確認しました。出発式では、代表の児童がキャンプで頑張りたいことを発表しました。全校のめあて、グループのめあて、そして個人のめあてについて、それぞれが自信を持って発表できました。
青少年の家に着くと、ほんのり海の香りがしました。建物に入った伊久美っ子たちは、2階の窓から遠くに見える海岸を珍しそうに眺めていました。入所式でしっかり所員さんの注意事項を聞き、いよいよキャンプのスタートです。
入所式の後は、お弁当タイムです。海が見える場所で、みんなでお昼ご飯を食べました。天気も良く、海越しの富士山も見ることができました。潮風を感じながら、おいしくいただきました。
続いては海洋活動です。2~6年生は、昨年度にもカヌー体験をしました。艇庫でカヌーに乗るときの心得や注意事項を聞き、パドルの動かし方のレクチャーを受け、かけ声の練習をしてから、いざ、海へ向かいます。カヌーへ乗り込み、大海原へと進んでいきました。出発するとすぐに、「1,2!」「そーれっ!」と、声出しリーダーを中心に大きな声でかけ声を出して漕ぐと、たくさんのパドルが綺麗にそろって船を動かしました。中間地点で一度上陸し、休憩をしながら、後半の作戦会議。前半の反省を活かして、団結力を高めます。後半の出発の時も、力強いかけ声で大きく漕ぎ出しました。作戦どおり、みんなの気持ちが一つになり、向かい風ながら前半よりも速いスピードで帰ってくることができました。最後には、一緒にカヌーに乗ってくれた艇長さんとハイタッチをして、長い海洋活動が終了しました。
一緒に活動をしていた学校の子たちと一緒に夕べの集いを行いました。振り返りでは、2人の伊久美っ子が、大勢の前で堂々と発表することができました。また、所員さんの提案で、違う学校との交流ゲームをしました。初めはたくさんの子どもに囲まれて緊張していた伊久美っ子たちでしたが、慣れてくると自分からも話しかける子もいました。短い時間でしたが、たくさんの子と交流できたと嬉しがっている子もいて、みんな楽しく交流ができたようです。
カヌーでおなかぺこぺこの子どもたちが待ちに待った夕食の時間です。メニューはマグロカツです。学校での配膳と同じように準備をし、みんなそろって「いただきます!」をしました。今日あった出来事を話しながら、楽しく食べることができました。食べ終わった後は、みんなで協力して食器を片付けました。
雨の心配もあり、野外でのキャンプファイヤーが、室内のキャンドルファイヤーに変更になりました。わざわざ伊久美の山から来てくださった火の神様からいただいたロウソクの淡い光がとても神秘的でした。続いてた各クラスの出し物の時間。1年生は『大きなかぶ1年生バージョン』でした。それぞれが思い思いの動物に扮し、とっても大きなかぶをみんなで引っ張る姿が印象的でした。最後にはかわいらしいダンスもあり、元気で仲良しな1年生らしい発表でした。2年生は『お話クイズ』。国語の授業で習ったことを活かし、正しいお話とどこが違うかというクイズで場を盛り上げました。知識豊富な2年生らしい発表でした。3・4年生は『オリジナル劇』を創りました。自分たちの特技や演技力を活かして、ダンスと歌も織り交ぜて、楽しい世界観の劇を披露しました。明るくにぎやかな3・4年生らしい発表でした。トリの5・6年生は『合奏』をしました。リコーダーやハンドベル、トランペットまで、様々な楽器を使って息の合った演奏を聞かせてくれました。伊久美っ子の代表として、見事な団結力でした。次の活動はフォークダンス。『マイムマイム』と『ジェンカ』を、火の神様も一緒にみんなで踊りました。終始笑顔の絶えないダンスで、みんな汗だくになってはしゃいでいました。
夜になり、暗くなった松林で、ナイトウォークをしました。暗闇の中に隠れている先生たちを見つけてヒントカードをもらい、言葉を完成させるというものです。懐中電灯で足下を照らしながら暗闇を進んでいきます。怖がっている子を勇気づけながら、チームみんなで周りを探索しました。意外と近くに隠れていた先生がいたり、体が大きくてすぐに見つかってしまった先生がいたり。そんなことも楽しみながら、みんな無事にゴールしました。
1日目にたくさんの活動があったので、ぐっすり眠った(?)伊久美っ子たちは、起床時刻にはしっかりみんな起きて、身支度を進んでしていました。朝の集いでは、1日目に一緒に活動した学校の子たちと一緒にラジオ体操をしました。焼津青少年の家の伝統だという、外国語のラジオ体操だったので、いつもとはひと味違った楽しさがありました。
朝ご飯は黒はんぺんフライ。朝食の後に、黒はんぺん作りの活動があるので、一足先においしいはんぺんを味わいました。
2日目のメイン活動、黒はんぺん作りです。所員さんのお話を聞くと、黒はんぺんの形や歴史の秘密が次々に明らかになりました。その作り方にも興味津々の伊久美っ子たちは、所員さんのお話を間近でしっかり聞いていました。作るときには、班員みんなで協力して材料を混ぜたり、型で成形したりしました。沸騰したお湯に手を入れないように注意しながら、交代で何度も作っていきます。初めはぎこちなかった手つきも、回数を重ねるにつれて手際がよくなり、綺麗な半月型の黒はんぺんを作れるようになりました。できたての黒はんぺんを試食してみると、いつも食べるものとは違う、フワフワの黒はんぺんにみんな箸が進んでいました。
焼津青少年の家で食べる最後の食事は、みんな大好きカレーライス。さすがに少し疲れが見えましたが、モリモリ食べていました。食事の後は班長が声をかけて、2日間の振り返りをしたり、荷物の整理をしたりして過ごしていました。
長いようで短い、でもやっぱり長くて充実していた2日間の活動を終え、くたくたになった伊久美っ子たち。最後は退所式です。疲れにも負けず立派に2日間の振り返りを発表していました。伊久美っ子たちにとって、この2日間の経験はとても大きかったようです。カヌー、キャンドルファイヤー、黒はんぺん作り、それぞれで得た力を発表していました。
帰りのバスが来るまでの間、ナイトウォークをした松林や、海岸で、遊びました。疲れているはずなのに、すっかり笑顔になって、元気よく走り回っていました。最後の最後まで、海を体いっぱいに感じ、大満足で帰路につきました。
この2日間で、活動のときはもちろん、活動の間の隙間時間でも、みんなで協力する姿が多く見られました。先生たちに頼らずとも、班長の指示で動いたり、自分の係の仕事を責任持って行ったり。1年生から6年生までが、自分から動き、とても成長した2日間だったと思います。この経験を、学校での生活でも、そして、これからある大きな行事、全校オペレッタでも、活かしていきましょう。