待ちに待った全校キャンプの日がやってきました。この日のために何週間も計画を練ったり、練習したりしてきたので、みんなワクワクドキドキでスタートしました。
朝、伊久美っ子が登校すると、みんなとっても元気にあいさつをしていました。開村式が始まるまでの間、班ごとに荷物の確認をしたり、しおりでキャンプの流れを確認したりと、リーダーの5・6年生もやる気満々です。
開村式が始まると、みんな気が引き締まったのか、とても良い姿勢で整列していました。3人の伊久美っ子がキャンプのめあてを発表すると、それぞれがきちんと自分の目標を持っていることが伝わってきました。発表していない子も、しおりにそれぞれが自分のめあてを書いていて、班のめあても決めてあり、みんなキャンプに対する熱い気持ちを持っていることがわかります。
いよいよ本格的にキャンプ開始です。初めのプログラムは『フォトウォークラリー』です。伊久美小の南側の山を登るのですが、あらかじめ渡された様々な風景の写真を見て、それと同じ風景を、それぞれのチェックポイント付近で見つけてその風景の写真を撮ってきます。雨が降ったりやんだりの不安定な天気だったので、みんなカッパを着て班ごとに時間差でスタートしました。雨で地面がぬかるんでいたので、お互いに声をかけながら確実に進んでいきます。時には、前を進んでいた班の子が、危険な個所を伝えたりもしていました。地図をもって先頭を行く各班のリーダーは、後ろを振り返りながら班員を気にかけていました。休憩も適宜とり、しっかり水分補給して進んでいくと、途中で雨もやみ、歩きやすくなりました。どのチェックポイントにどの写真の風景があるのかわからないようになっているので、辺りをぐるぐる見回しているうちに、初めて見る景色も見ることができ、新しい伊久美を発見することもできました。学校へ戻ると、ご褒美のアイスが…。疲れをいやして、次のプログラムへ進みます。
午前中最後のプログラムは、ヤマメのつかみ取りと川遊び。例年通り、やまめ平の清水さんがつかみ取りの準備をしてくれました。今年は、学校で飼っているヤマメがちょうど良い大きさになっていたので、川に放ち、つかみ取りをしました。2年生以上の子は、毎年やっているので、どんどんヤマメをつかみに行きました。初めてつかむ1年生も、果敢に大きなヤマメに向かっていきました。たくさんのヤマメが川に放たれているので、1人につき何匹もつかむことができました。校長先生も、子どもたちと一緒になってつかみ取りを楽しんでいました。すべてのヤマメをつかみ終えると、今度はそれをさばきます。今年は清水さんの手作りの『ヤマメを安全に切れーる』でさばきました。その名の通り、手を切ってしまうことなくヤマメをさばける画期的なアイテムで、初めて扱う子どもたちも簡単にさばくことができました。串を刺すところまでを子どもたちが準備し、塩焼きは、プロの清水さんにお願いしました。時間がまだ早かったので、そのまま川遊びをしました。雨が降った後で少し冷たいと感じましたが、そんな中でも子どもたちはたくましく泳いだり、水をかけあったりして、たっぷりおなかをすかせました。
学校へ戻ってきて、お昼ご飯・・・の前に、明日の川下りへ向けて、水着を自分たちで洗って干しました。疲れている校長先生にマッサージをして、その後、お弁当とやまめの塩焼きの、豪華なお昼ご飯です。遠くからでもわかる、炭火焼のやまめのいい匂いにつられて、子どもたちが集まってきました。焼いてくれた清水さんにお礼を言って、いただきます。しっぽはパリパリ、身は脂がのってジューシー。子どもたちはとてもいい顔ですぐにやまめを完食し、何人もおかわりしに行きました。お弁当も残さずに食べ、午後のプログラムに向けて、英気を養いました。
雨でテントが張れなかったので、体育館でドッジボールをし、キャンプファイヤーの出し物の練習をし、夕食作りにうつります。このころから、今年も静大生の方たちがお手伝いをしに来てくれました。今年は、1・2年生が飯ごう炊さん、3~6年生がカレー作りを担当しました。1・2年生は、初めての飯ごう炊さん。先生の言うことをしっかり聞いて、作り始めました。お米をこぼさないように丁寧に洗い、中身がこぼれないように慎重に飯ごうを持って、業務員の堀崎さんが火をつけて待ってくれているかまどへ移動します。棒に飯ごうをつるし、じっとご飯が炊けるのを待ちます。しばらくして火からあげ、熱い飯ごうに戸惑いながらも、逆さにして蒸らしておきました。いよいよふたを開けてみると、ご飯のいい香りが子どもたちを包みます。初めての飯ごう炊さんに成功した1・2年生は大喜びでした。
3~6年生のカレー作りは、今年は先生たちの手を借りず、自分たちで作り方を見ながらしました。3・4年生が野菜の皮をむき、5・6年生が切ります。みんな協力して下準備を終えると、鍋を火にかけ、具材に火を通していきました。火加減・水加減を見ながら順番に野菜を入れると、「肉じゃがみたい!」「豚汁みたい!」と、どの班も驚いていました。その肉じゃがや豚汁にカレールーを入れると、見る見るうちにそれらがおいしそうなカレーに変わっていきました。大学生のお姉さんにも味見をしてもらって、カレーの完成。自分たちだけで作ったとは思えないくらいの上手な出来栄えになりました。使った調理器具の後片付けもみんなでしっかり行い、1・2年生のご飯の完成を待ちました。
いよいよ、全校児童で作り上げたカレーライスの実食です。自分たちでお皿に盛りつけ、大学生のみなさんと一緒に「いただきます!」。とってもおいしいカレーを、みんなぺろりとたいらげ、どんどんおかわりしに来ました。自分たちだけで作ったカレーライスの味は格別だったようで、口の周りがカレーだらけになっているのも気にしないでモリモリ食べている子もいました。大学生たちも「おいしい!」と言ってくれて、大満足の夕食となりました。
空模様も心配ですが、なんとか運動場がキャンプファイヤーができるくらいまで回復したので、予定通りキャンプファイヤーが行われました。まずは分火・点火の儀式。火の神様に聖なる火をいただき、点火をしました。『もえろよもえろ』の歌詞のように、天まで届くかのように火が燃え上がり、きれいなキャンプファイヤーができあがりました。そのままプログラムはフォークダンスへ。まずは『ジェンカ』です。たくさんの大学生と保護者・地域の方が参加してくださり、大勢でジェンカを踊りました。みんな熱中していてじゃんけんのタイミングの笛が聞こえなかったり、人数が多かったりしたので、なんと曲を2回も流しました。見事一番になったのは保護者の方。うれしそうにコメントをしてくれました。続いて『マイムマイム』。今年は人数が多かったので、火を囲むことができました。「熱い!」と言いながらも、楽しそうにみんな踊っていました。しかし、いつもは『まだ終わらないのか』感が楽しいマイムマイムですが、突然の雨にみまわれ、途中で終了して体育館に避難することになってしまいました。が、それも想定していたので、体育館にはクラスごとの出し物の準備が整っていたので、そのまま出し物に突入です。
全員避難を終えたところで、第3部のスタートです。各クラスがこの日のためにたくさん練習してきた出し物の披露をしました。1・2年は、自分たちで作った物語を、自分たちで書いたお面を身に付けて、図工で作った作品を見せながら、劇で披露しました。はっきりとした声でセリフをしゃべり、ひとつひとつの動作がきっちりしていました。今年のオペレッタも期待が持てそうなできばえでした。3・4年は、音楽の授業で練習した和太鼓の披露です。観に来てくれた人たちも太鼓の設置を手伝ってくれました。ばっちり衣装とメイクをしておもしろ寸劇をした後、スイッチを切り替えてきりっとした表情で和太鼓を叩きました。ほとんど乱れることのない演奏で、みんな感動してくれました。5・6年生は、パントマイムをしました。かつてお茶の間を湧き立たせたあの伝説のパントマイムを、自分たち流に構成し直し、堂々とやり切りました。棒バランスと空気砲を、思わず笑ってしまうような動きや仕組みでスピーディーに完璧に披露し、(この3日間ほどで完成させたとは思えないほど)高いクオリティーで、会場を沸かせました。どのクラスの出し物も大成功に終わり、キャンプファイヤーが終了しました。
1日目ラストのプログラムは、今年初めての試み、『ナイトウォーク』です。伊久美小の主・ダーシモからの挑戦状が伊久美っ子に届き、2日目の最後に食べる予定のピザの引換券が6つのかけらに分かれたものを、暗号から推理して真っ暗な校舎内から探し出すことになりました。校舎内の電気がすべて消えると、思った以上に真っ暗闇になり(写真ではカメラのライトでわかりづらいですが、本当に真っ暗でした。)、懐中電灯1本だけで探すと、さながらお化け屋敷のようでした。暗闇が怖くなってしまう子もいましたが、どの班も20分ほどで無事にすべてのかけらを手に入れ、ピザを食べることができることになりました。
1日目の最後のプログラムを終え、身も心もくたくたになった子どもたち(先生たちも)。夜はぐっすり寝て、明日に備えたいところです。果たして、2日目はどうなるのでしょうか。