2日目の朝がやってきました。1日目にたっぷり体を動かし疲れもあったのでしょう。どの子もぐっすり眠り(?)、起床の時間通りに起きることができました。2日目の最初のプログラムは、5・6年生と大学生による朝ごはん作りです。大学生は、地域の方の熱心な御指導の下、おにぎりや、梅と青じそのたたきを作ってくれました。一方子どもたちは、1日目のカレー作りと同じく、先生たちの手を借りずに5・6年だけで40人分のみそ汁を作ります。みそ汁の具は、伊久美にある西野豆腐店の豆腐・油揚げ、伊久美小で育てたじゃがいも、わかめです。子どもたちは、家庭科の授業でばっちり調理の練習をしてきていて、キャンプ1日目のカレーでも調理しているので、慣れた手つきで材料を切っていきます。なんと、全員が豆腐もしっかり手の平の上で切っていました。切った具材をどんどん鍋に入れて煮ていくと、豆腐がきれいな緑色に。だしのいい匂いもただよってきました。いよいよお味噌を投入する時間。子どもたちは目分量でお玉に味噌を取り、練習の時はやることが無かった、お玉で直接鍋に溶かし入れる方法にチャレンジ。味見を重ねて味噌の量を調節しました。そんな積極的な調理でできあがった伊久美っ子特製みそ汁。みんなのお口に合うでしょうか。
5・6年生がいない間、下級生の面倒を見ていた3・4年生。朝のつどいの時間になるとしっかりみんなを連れて体育館に集合しました。5・6年生はまだ一生懸命にみそ汁を作っていたので、1~4年生は大学生と一緒に、青少年自然の家ばりのレクリエーションで体を動かし、5・6年もそろったところで朝のつどいが始まりました。「ぐっすり眠れましたか?」の問いかけに、子どもたちはほほえみを浮かべていました。きっと1日目の楽しい夢をたっぷり見たことを思い出したのでしょう。つどいを終え、いよいよ朝ごはん。気付くと子どもたちよりもたくさんの人数の大学生が来ていました。大学生のおにぎりと、5・6年生のみそ汁を、にぎやかにいただきました。5・6年生がドキドキしながら、みそ汁を食べる他の子の反応をうかがっていると、「おいしい!」「うまい!」と、うれしい叫びが聞こえてきました。5・6年生も大満足。昨日に引き続き、料理への自信がつきました。朝だからか、疲れからか、みんなぐったりしているようにも見えましたが、しっかり朝ごはんを食べていて、残りのプログラムへの力を蓄えていました。
続いては、2日目のメインプログラム、川下りの始まりです。子どもたち・大学生・保護者の方が一斉に、伊久美川の清流の中を600m程歩いて下ります。昨日雨が降りましたが、水量はそれほど増えておらず、歩きやすいかと思われましたが、川底の石に藻が多く生えていたので、注意して進みました。子どもたちはライフジャケットを着て、ある子は大人に手を引かれながら、ある子は大人の手を引っ張りながら仲よく下っていきます。例年、途中で川が深くなっているところがあり、今年もそこで子どもも大人も何人かが飛び込みをして遊びました。大人でも足がつかないほど深いので、子どもたちはライフジャケットでぷかぷか浮かびながら泳ぐのを楽しんでいました。途中、何度か流されながら下っていくと、あっという間にゴール地点についてしまいました。「もう終わりかー。」と言う子もいましたが、最後の場所にはまた深くて飛び込める場所がありました。しばらくの間、思う存分飛び込んだり流れたり、いろんな生き物を探したりして楽しみました。飛び込める子どもはいろんなポーズで何回も飛び込み、初めて飛び込む子も勇気を出してジャンプ。大学生や先生も、子どもに負けじと続々と飛び込みました。伊久美川は、川がとてもきれいで澄んでいるので、水上からも水中でも、たくさんの生き物を見つけることができます。おたまじゃくしやカニ、小さい魚など、たくさんの生き物を見つけることができました。遊び疲れた体を何とか動かし、待ちに待ったピザ作りへ向かいます。
学校に戻ると、伊久美に住む地域おこし協力隊の阿部さん(一流シェフ)が、手作りのピザ窯を構えて待っていました。すでにピザの焼けるいい匂いが漂ってきます。水着から着替え、足早にピザ作り会場へ集合します。阿部さんの実演を間近で見た後、いざ、トッピング開始です。今回作るピザは、オーソドックスなトマトソースのピザに、阿部さん手作りのチャーシューと、やまゆりで売られているおやきの具材などをぜいたくにトッピングしたもの。グループごとに協力してきれいに盛り付けていきます。ピザ生地からあふれんばかりに具材を乗せて、最後にエクストラバージンオイルをかけたら出来上がり。ピザ窯で焼いていきます。初めて見る手作りピザ窯に、子どもたちは興味津々。離れたところからじっと中をのぞきこんでいました。高学年はピザをピザ窯に入れる体験もさせてもらいました。やけどしないように注意しながら、ていねいにピザをいれていくと、満足げな表情を見せていました。ピザは数分で焼きあがり、いざ、実食。あっつあつのピザを、さましながら一口。「熱い!」と言いながらも、直後には何とも言えぬおいしそうな表情をしていました。みんな大満足の昼食となりました。
とっても疲れたけど、とっても楽しく貴重な体験ができた全校キャンプも、最後の閉村式がきてしまいました。みんな疲れ切った表情でホールに並んでいました。その顔からは、何か大きなことを成し遂げた満足感や達成感を感じました。振り返りの時間も、キャンプの余韻にひたっていたのか、何とも言えない表情で言葉を考えていました。最後に、大変お世話になった大学生や保護者の方に深くお礼を言い、キャンプのすべてのプログラムが終了しました。今回のキャンプは、新しい試みも多く、例年とはまた違った雰囲気でした。伊久美のおいしいものを食べ、伊久美の自然に親しみ、伊久美の人々のあたたかさにふれ、子どもたちはより一層、伊久美の事を好きになったのではないでしょうか。2日間休んだ後、全校でキャンプのことをふり返って発表する授業があります。そこで、様々な思いを巡らせた子どもたちの話を楽しみにしています。